今回は、バンド【Scorpions】のアルバム『Taken by Force』より、曲「The Sails Of Charon」をご紹介させて頂きます。
この曲は、あのイングヴェイ・マルムスティーンが自らのスタイルを確立するために多大な影響を与えた曲とも言われています。早すぎた天才とも言われる、ウリ・ジョン・ロートを代表する屈指の名作を是非聴いてください。ウリは、孤高の人ですが、見た目が少し格好悪い所が本当に残念です。その影響力は大きく、色々なバンドがカバーしています。聴き比べて頂けると楽しめると思います。原曲が持つ確固たる世界観は、まるで美術作品のように、いつまでも色褪せること無く輝いています。
こちらが原曲です。
Scorpions – The Sails Of Charon (Blu-spec CD) 2010
曲名は、カロンの渡し守り。ギリシャ神話の三途の川の渡し守りです。1オロボスの渡し賃を払わないと渡れないので、ギリシャ人は、死んだ人の口に1オロボスを入れる風習があるそうです。そんな怪しい雰囲気を感じるイントロから始まり、ドラムと共に印象的なギターリフが入ります。そして、そのままギター・ソロで最高潮に達して、ボーカルによる曲が展開されます。随所に怪しげなギターのエッセンスが混ざっており、ワウを使った表現や、複雑な速弾きのハモリなど聞き所も多く、曲の構成も充実し、非常に完成度が高いです。
今回の「心の琴線に触れる音」は、1:32~2:16のギター・ソロ部分です。こんな斬新な音が、1977年という古いアルバムなのには驚きです。ただのギター・テクニックでは無く、ギターのフレーズの幅が素晴らしく、非常に練り込まれて深い味わいがあります。
怪しい雰囲気で余韻を残す曲の終わり方も素晴らしいです。歴史に残る至高の作品です。
昔のプロモーションビデオ。若いウリが見れます。最初インタビューあり。
The Sails of Charon – Scorpions 1977 Uli Jon Roth Klaus Meine
この時代は、まるでバンドリーダーが2人(ルドルフとウリ)存在するような、ウリの音楽性が独特で異質にすら感じます。
このアルバムを最後に、ウリはスコーピオンズを脱退し、ウリ自身のバンド【Electric Sun】が結成されます。
多くのアーティストにカバーされていますので、それぞれの共感部分を聴き比べてみてください。
テスタメントによるカバー
Testament – The Sails of Charon (Scorpions)
原曲がそのままメタルサウンドになっています。原曲がメタルに通じるものがあるのだと思います。
イングヴェイ・マルムスティーンによるカバー
Yngwie Malmsteen – The Sails Of Charon
イングヴェイ・マルムスティーンのスタイルで味付けされています。彼らしさ、この曲に対する彼の思い入れ、原曲フレーズの共感部分も感じられます。
メタリカのカークも少し弾いています。カバーでは無いですが。
Kirk Hammet (Metalllica) – The Sails of Charon (Scorpions Cover)
イントロから入り・・・。 リフじゃなくて、もっと・・。カーク・ハメットらしいサウンドです。
スカイギターによるウリ自身
Uli Jon Roth – The Sails of Charon (awesome solo!)
比較的最近のウリ自身が、スカイギターで弾いています。アレンジも加わって、聴き応えがあります。流石に原作者、あの世界観で独特の音を出しています。
ご紹介のアルバムです。
少しでも、ウリ・ジョン・ロートの持つ独特の世界を味わって頂ければ嬉しいです。
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